アルコール症の専門的治療を受ける際に心構えがあれば、教えて下さい。

<答> アルコール依存症の治療を受ける際には、一般的な「治療」というものの考え方を根本から変えることが必要です。一般病院で行われている各種の検査や診察、投薬のみが治療ではないと考えて下さい。簡単に言いますと「身体の治療だけがではない」ということです。

アルコール依存症の障害は、身体面、精神面、社会面、生活面すべてに認められます。身体面のは、投薬や注射などで可能ですが、その他の障害には「薬」はありません。今まで持っていたアルコール依存症についての誤解や偏見を正して、正確な知識を身につけることが大切ですし、身体面よりもむしろ自分の精神面や社会面あるいは生活の面に、アルコールがどのような悪い影響を与えてきたのかをじっくりと反省しなければならないのです。その自己洞察の中にのみ「なぜ自分は酒を飲んではいけない人間なのか」という解答があるのです。

そのためには、本人、共に院内で行われている各種の治療に自ら参加することが大切なわけです。身体的な治療はアルコール依存症ののごく一部分にすぎません。

「アルコールは体に悪いから禁酒して治療しなければならない」と考えている人は、身体的な障害が改善すると「体が治ったから少しぐらいの酒ならいいだろう」と、いつかは飲酒再発してしまいます。アルコール依存症が内科のみでは不可能なのはここに原因があります。

従来治療というものは「診察を受ける」「検査を受ける」「注射や薬などの投薬を受ける」といった受け身的なものが主でした。しかし、アルコール依存症のような慢性の病気は、このような受け身的な治療だけではしません。院内で行われているアルコールのや各種の学習会に参加する、それも患者本人だけではなく、も治療に参加するという能動的な態度が必要なのです。

ある程度の治療期間が過ぎて点滴や投薬がなくなったからといって、アルコール依存症が治ったわけではありません。アルコールの害の一つである身体の障害が改善しただけなのです。また、医療機関での治療が終了したからといって、この病気が治ったわけではないのです。その後も各地で行われている断酒例会に参加を続け、自らをしていかねばならないのです。

逆に言いますと、この病気は自らの正しい努力によって、患者家族とも積極的に治療に参加することが可能であり、本人やの正しい努力がそのまま成績につながる病気なのです。

他の病気、例えばガンなどの場合は、本人や家族がいくら努力してもがんという病気のにはあまり関係がなく、現在の医学の発達の程度によって治るか治らないのかが決定されてしまいます。つまり「ガン」の治療には、本人も家族もほとんど参加できないのです。しかし、アルコール依存症の場合は違います。本人やに参加でき、その努力が必ず実を結ぶ病気なのです。

最後に「アルコール依存症」の治療に患者本人もも積極的に参加し、この病気を克服する努力が大切であり、これがアルコール症の専門治療を受ける時の心構えであると言っておきましょう。そして「身体的な治療だけが行為ではない」ともう一度考え直して下さい。

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