終章 アルコール症の悪循環と自助グループについて(1)

第一節 AA、断酒会(自助グループ)

●自助グループ:現実の直視

AA(アルコール依存症者により始められた自助グループ)や断酒会が、自分の過去の酒害を正直に語るという体験談を中心とした会合を持つまで、アルコール症は治癒不可能な病気であり精神的に異常な人間とみなされてきました。

実際、体験談を中心とした自助グループができるまで、先に考察したようにアルコール症者は自己嫌悪や多罰的な態度で現実を否認し、それとは逆の自己イメージに固執していたのです。

このように、自己防衛を無意識に作り出しているアルコール症者に、周囲の人々がいくら優しく説教しても厳しく叱責しても酒を止めさせることはできなかったのです。

説教や非難でアルコール症者に現実を認めさせようとすればするほど、アルコール症者は自分のイメージに逃げ込んでしまうように自己防衛ができているからです。

これと同じように、どのような精神療法をもってしても、アルコール症者に自分の現実の姿を認めさせ、断酒を継続させることはできませんでした。

AAや断酒会の体験談が、このようなアルコール症者の自己防衛を打ち破ることに成功したのは、実はこの体験談そのものに秘密があります。

過去の生々しい体験を語るということは、とりもなおさず自分の現実を直視しそれを認めるということです。

先の例で考えてみると、人前で醜態をさらしたのも、家族に迷惑をかけたのも、仕事に差し支えたのも、全て自分が本当に行った現実のことであると認めているのが体験談なのです。

すなわち、以前は自己嫌悪や他罰的な態度で現実を直視せず、自己のイメージに逃げ込んでいたアルコール症者に対して、体験談は、今まで仮の姿であり、たまたま起こったこととして片付けていた飲酒問題を、現実のものとして認めさせることができたのです。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

第一節 AA、断酒会(自助グループ)
●自助グループ:現実の直視
AA(アルコール依存症者により始められた自助グループ)や断酒会が、自分の過去の酒害を正直に語るという体験談を中心とした会合を持つまで、アルコール症は治癒不可能な病気であり精神的に異常な人間とみなされてきました。
実際、体験談を中心とした自助グループができるまで、先に考察したようにアルコール症者は自己嫌悪や多罰的な態度で現実を否認し、それとは逆の自己イメージに固執していたのです。
このように、自己防衛を無意識に作り出しているアルコール症者に、周囲の人々がいくら優しく説教しても厳しく叱責しても酒を止めさせることはできなかったのです。
説教や非難でアルコール症者に現実を認めさせようとすればするほど、アルコール症者は自分のイメージに逃げ込んでしまうように自己防衛ができているからです。
これと同じように、どのような精神療法をもってしても、アルコール症者に自分の現実の姿を認めさせ、断酒を継続させることはできませんでした。
AAや断酒会の体験談が、このようなアルコール症者の自己防衛を打ち破ることに成功したのは、実はこの体験談そのものに秘密があります。
過去の生々しい体験を語るということは、とりもなおさず自分の現実を直視しそれを認めるということです。
先の例で考えてみると、人前で醜態をさらしたのも、家族に迷惑をかけたのも、仕事に差し支えたのも、全て自分が本当に行った現実のことであると認めているのが体験談なのです。
すなわち、以前は自己嫌悪や他罰的な態度で現実を直視せず、自己のイメージに逃げ込んでいたアルコール症者に対して、体験談は、今まで仮の姿であり、たまたま起こったこととして片付けていた飲酒問題を、現実のものとして認めさせることができたのです。