アルコール症の本質「飲み方の異常」(3)

アルコール症の人々の身体から
アルコール分が抜けていくと、
様々な症状が出現します。

  • 酒が切れてくると眠れない
  • よく夢を見て眠りが浅い
  • 寝汗をかく
  • イライラしてしかたがない
  • 理由もないのに怒りっぽくなる
  • 食欲がない
  • 吐き気がする
  • 手が震える

などのような症状が出現して苦しんだ時に
酒を飲むと、それらの症状が楽になります。

彼らは、そのことを体験的に知っているわけです。

その時に、彼らはアルコールを探し求める
様々な努力や工夫を行います。

以下に、その実例を見てみましょう。

T氏「家族がいくら止めても飲んでしまうので、
家に酒を置かないようにしてしまった。
   それでも外へ飲みに出ていってしまう。
   最後には一銭のお金も持たせてくれなくなった。
   そこで、妻のサイフから小銭を抜いては飲みに行く。
   そんなことを繰り返すと、
妻はサイフを隠してしまうようになった。
   子供の貯金箱が学習机の中に入っているのを知っていたので
そこからも小銭を抜くから、
   とうとう子供が机の引き出しに鍵をかけるようになった。
   また、夜中に酒が切れて目が覚めてしまったときは、
   朝の5時になるのが待ち遠しかった。
   5時前になるとこっそり家を抜け出して、
   自動販売機までワンカップを買いに行くことも多かった。」
K氏「家では妻の目があるので、
外で買ったワンカップをこっそり家の中に持ち込んでおく。
   額縁の後に隠しておいたり、
押入れにウイスキーのポケット瓶を隠しておいたりして、
   酒が切れたらこっそりと飲んでいた。」

S氏「僕の場合でも、
晩酌二合にしようと決心したけれど、やはり足りない。
   妻はそれ以上の酒は絶対に出してくれないので、
   しかたなしに、用事があると言って外に出て行き、
   自動販売機に千円札を入れようとしたら
何回お札を入れても戻ってくる。
   そこで入りたくもない銭湯に入って、
おつりでワンカップを買って飲んだりしていた。」

A氏「私は女ですから夜歩きは怖かったけど、
酒が切れてくるとそんなことは言っていられません。
   そこで、犬を連れて走って自動販売機まで行きました。
   11時になると自動販売機が終わるので、
あせって全力で走って行って、
やっとワンカップを何本か買って、
   1本はその場で一気に飲みました。
   朝になって犬がいないので
びっくりして探しに行ったところ、
   酒を買った自動販売機の所に繋がれていました。」

S氏「仕事中は我慢していたが、
5時の定時が来ると会社を飛び出す。
   帰りの売店でワンカップ5本ほど買って、
まず1本飲んで残りを服の中に隠して家に帰る。
   しかし、家に入ると子供がボディチェックをするものだからよくばれた。
   朝になったら早くから散歩に行くと言って、
家内にまだ暗いよと言われても出て行った。
   自動販売機に酒を買いに行っていたのですがね。」

H氏「私の場合も、早朝から犬の散歩だと言って
毎日のように酒を買いに行っていた。
   最近は酒を止めているから犬の散歩も行かなくなったが、
   この間久しぶりに犬を散歩に連れて行ったら、
   いつも酒を買っていた自動販売機の前で
犬が座り込んだのでびっくりした。
   また、飲んでいた頃は自動販売機が開くまで
悶々として待ったものです。」

N氏「自分の場合は一人者だから隠れ飲みはしなかったが、
   なんとか節酒しようとして一升瓶を買うのを止めました。
   しかし、一日に何度も酒屋に行って
ワンカップを買ってきては飲み、
   2?3時間して切れたらまた買いに行く。
   こんなことなら一升瓶を買っておいたほうが
手間もはぶけるし安いのに、
   やはり、節酒をしたいから
同じことを繰り返していました。」

M氏「自分は隠れ飲みをしたことはないが、
   嫌がる家族に暴言や暴力でもって無理に酒を持ってこさせたり、
   明日から止めるから今日だけ飲ませてくれと言ったりして、
   結局は飲んでいました。」

H氏「飲みながら、明日からは止めようと決心はするのです。
   止めなければならない理由をあれこれと考えましてね。
   しかし、明日が今日になるとどうしても飲みたくなる。
   やはり身体が要求するのでしょう。
   そこで、昨日いろいろ考えた
飲んではいけない理由を自分なりに考え直して、
   明日から止めればよいという言い訳を作り出して
結局今日は飲んでいました。
   そんなことが毎日続いていました。」

K氏「私もそうだった。
   酒の害を深刻に考え反省して、
飲んではいけない理由を飲みながら数えていました。
   そして明日からこそ禁酒しようとするのですが、
その明日になると酒が切れて、
   飲みたくて身体がいうことをきかない。
   そこで、昨日考え出した飲んではいけない理由を
心の中でひっくり返すわけです。
   たとえば酒はみんなが飲んでいるからとか、
   一杯だけならいいだろうとか、
   明日からあるいは来週から止めればいいとか、
   その他いろいろな言い訳を自分自身にしながら
結局毎日飲んでいました。」

E氏「今から考えると、
私はかなり以前からアルコール症だった。
   とにかく身体に酒が入っていないと
どうしようもなかったのです。
   仕事中でも、
会社の倉庫の中にポケットウイスキーを隠しておいて、
   ちょっと倉庫の整理に行って来ます、などと言って、
   数時間おきに飲みに行っていました。
   酒の臭いをごまかすためにニンニクをかじって、
   昨日はギョウザを食べ過ぎた、
などと言ってごまかしていました。」

以上のような飲み方は、決して正常な飲酒だとは言えません。

アルコール症の正体は、このような飲み方の異常にあるわけです。

心も身体もアルコールに依存してしまい、
止めなければならない、
あるいは節酒しなければならない
と思っていても、
実際の行動は病的な飲み方になってしまいます。

中には、周囲の人々に節酒や禁酒を何度も約束しながらも、
その約束を破るということを繰り返している人もいます。

これでは、さらに信用を落としてもしかたがないでしょう。

飲んだ後の酩酊の様式、
たとえばブラックアウトになるとか、
暴力を振るうような酒乱になるとか、
酔って寝てしまうとかは
アルコール症になっているかどうかの基準にはなりません。

また、飲酒生活を続けた結果失ったもの、
たとえば家族や仕事を失うという社会的な喪失の程度も、
あまりアルコール症の指標にはならないのです。

なぜなら、我慢強い家族や職場であれば、
本人にアルコールの問題があったとしてもカバーしてしまい、
問題が表面化しないことが実に多いからです。

だから、家庭や仕事があるといっても
自分はアルコール症ではないと言い切れないのです。

次に、自分はしばらく禁酒した期間がある。
酒などいつでも切ることが出来る。
だからだいじょうぶです。

などと言う人も多いのですが、
そのように言う人も
酒を止め続けることはできなかったはずです。

続く 次回は6月15日(木)に公開します。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

アルコール症の人々の身体から
アルコール分が抜けていくと、
様々な症状が出現します。

酒が切れてくると眠れない
よく夢を見て眠りが浅い
寝汗をかく
イライラしてしかたがない
理由もないのに怒りっぽくなる
食欲がない
吐き気がする
手が震える

などのような症状が出現して苦しんだ時に
酒を飲むと、それらの症状が楽になります。
彼らは、そのことを体験的に知っているわけです。

その時に、彼らはアルコールを探し求める
様々な努力や工夫を行います。
以下に、その実例を見てみましょう。
T氏「家族がいくら止めても飲んでしまうので、
家に酒を置かないようにしてしまった。
   それでも外へ飲みに出ていってしまう。
   最後には一銭のお金も持たせてくれなくなった。
   そこで、妻のサイフから小銭を抜いては飲みに行く。
   そんなことを繰り返すと、
妻はサイフを隠してしまうようになった。
   子供の貯金箱が学習机の中に入っているのを知っていたので
そこからも小銭を抜くから、
   とうとう子供が机の引き出しに鍵をかけるようになった。
   また、夜中に酒が切れて目が覚めてしまったときは、
   朝の5時になるのが待ち遠しかった。
   5時前になるとこっそり家を抜け出して、
   自動販売機までワンカップを買いに行くことも多かった。」
K氏「家では妻の目があるので、
外で買ったワンカップをこっそり家の中に持ち込んでおく。
   額縁の後に隠しておいたり、
押入れにウイスキーのポケット瓶を隠しておいたりして、
   酒が切れたらこっそりと飲んでいた。」
S氏「僕の場合でも、
晩酌二合にしようと決心したけれど、やはり足りない。
   妻はそれ以上の酒は絶対に出してくれないので、
   しかたなしに、用事があると言って外に出て行き、
   自動販売機に千円札を入れようとしたら
何回お札を入れても戻ってくる。
   そこで入りたくもない銭湯に入って、
おつりでワンカップを買って飲んだりしていた。」
A氏「私は女ですから夜歩きは怖かったけど、
酒が切れてくるとそんなことは言っていられません。
   そこで、犬を連れて走って自動販売機まで行きました。
   11時になると自動販売機が終わるので、
あせって全力で走って行って、
やっとワンカップを何本か買って、
   1本はその場で一気に飲みました。
   朝になって犬がいないので
びっくりして探しに行ったところ、
   酒を買った自動販売機の所に繋がれていました。」
S氏「仕事中は我慢していたが、
5時の定時が来ると会社を飛び出す。
   帰りの売店でワンカップ5本ほど買って、
まず1本飲んで残りを服の中に隠して家に帰る。
   しかし、家に入ると子供がボディチェックをするものだからよくばれた。
   朝になったら早くから散歩に行くと言って、
家内にまだ暗いよと言われても出て行った。
   自動販売機に酒を買いに行っていたのですがね。」
H氏「私の場合も、早朝から犬の散歩だと言って
毎日のように酒を買いに行っていた。
   最近は酒を止めているから犬の散歩も行かなくなったが、
   この間久しぶりに犬を散歩に連れて行ったら、
   いつも酒を買っていた自動販売機の前で
犬が座り込んだのでびっくりした。
   また、飲んでいた頃は自動販売機が開くまで
悶々として待ったものです。」
N氏「自分の場合は一人者だから隠れ飲みはしなかったが、
   なんとか節酒しようとして一升瓶を買うのを止めました。
   しかし、一日に何度も酒屋に行って
ワンカップを買ってきては飲み、
   2?3時間して切れたらまた買いに行く。
   こんなことなら一升瓶を買っておいたほうが
手間もはぶけるし安いのに、
   やはり、節酒をしたいから
同じことを繰り返していました。」
M氏「自分は隠れ飲みをしたことはないが、
   嫌がる家族に暴言や暴力でもって無理に酒を持ってこさせたり、
   明日から止めるから今日だけ飲ませてくれと言ったりして、
   結局は飲んでいました。」
H氏「飲みながら、明日からは止めようと決心はするのです。
   止めなければならない理由をあれこれと考えましてね。
   しかし、明日が今日になるとどうしても飲みたくなる。
   やはり身体が要求するのでしょう。
   そこで、昨日いろいろ考えた
飲んではいけない理由を自分なりに考え直して、
   明日から止めればよいという言い訳を作り出して
結局今日は飲んでいました。
   そんなことが毎日続いていました。」
K氏「私もそうだった。
   酒の害を深刻に考え反省して、
飲んではいけない理由を飲みながら数えていました。
   そして明日からこそ禁酒しようとするのですが、
その明日になると酒が切れて、
   飲みたくて身体がいうことをきかない。
   そこで、昨日考え出した飲んではいけない理由を
心の中でひっくり返すわけです。
   たとえば酒はみんなが飲んでいるからとか、
   一杯だけならいいだろうとか、
   明日からあるいは来週から止めればいいとか、
   その他いろいろな言い訳を自分自身にしながら
結局毎日飲んでいました。」
E氏「今から考えると、
私はかなり以前からアルコール症だった。
   とにかく身体に酒が入っていないと
どうしようもなかったのです。
   仕事中でも、
会社の倉庫の中にポケットウイスキーを隠しておいて、
   ちょっと倉庫の整理に行って来ます、などと言って、
   数時間おきに飲みに行っていました。
   酒の臭いをごまかすためにニンニクをかじって、
   昨日はギョウザを食べ過ぎた、
などと言ってごまかしていました。」
以上のような飲み方は、決して正常な飲酒だとは言えません。
アルコール症の正体は、このような飲み方の異常にあるわけです。
心も身体もアルコールに依存してしまい、
止めなければならない、
あるいは節酒しなければならない
と思っていても、
実際の行動は病的な飲み方になってしまいます。
中には、周囲の人々に節酒や禁酒を何度も約束しながらも、
その約束を破るということを繰り返している人もいます。
これでは、さらに信用を落としてもしかたがないでしょう。
飲んだ後の酩酊の様式、
たとえばブラックアウトになるとか、
暴力を振るうような酒乱になるとか、
酔って寝てしまうとかは
アルコール症になっているかどうかの基準にはなりません。
また、飲酒生活を続けた結果失ったもの、
たとえば家族や仕事を失うという社会的な喪失の程度も、
あまりアルコール症の指標にはならないのです。
なぜなら、我慢強い家族や職場であれば、
本人にアルコールの問題があったとしてもカバーしてしまい、
問題が表面化しないことが実に多いからです。
だから、家庭や仕事があるといっても
自分はアルコール症ではないと言い切れないのです。
次に、自分はしばらく禁酒した期間がある。
酒などいつでも切ることが出来る。
だからだいじょうぶです。
などと言う人も多いのですが、
そのように言う人も
酒を止め続けることはできなかったはずです。
続く 次回は6月15日(木)に公開します。