新連載スタート!  院長からのメッセージ  1

「もったいない」のこころ

みなさんには春秋がある

 がんのために、あと半年しか生きられないと宣告された人がいます。病室から外の世界を眺めて、空の青や流れる雲や草の緑に思うのです。今まであくせく働いて、仕事ばかりの人生で、人を出し抜いてでも地位や名誉を得ようとしてきた。しかしそれが何になったのか。あの高い空を思い切り味わえばよかった。子どもや妻とゆっくり過ごしたのは、いったい何十年前のことだろう…。

 たとえ半年でも、気付いたときから凝縮して生きることはできます。けれどもう、中秋の名月を見上げることはないかもしれないし、次の桜は見られないかもしれない。

 アルコール依存症のみなさんは、自分の病に気づいて価値観を転換すれば、これからの春秋があります。酒にかすんでしまった世界を、もう一度濃く味わって生きることができるのです。

 ご家族も皆さんも同じです。今まであまりに長いこと、酒の問題をなんとかしようとしてエネルギーを使い、怒りとあきらめを繰り返しながら生きてきた。しかし自分自身の一度しかない人生なのです。

 私は、仕事ばかりに没頭する生活はしないことにしています。やりたいことはたくさんあるけれど、急がずゆっくり実現すればいいと思っています。毎日家族の時間をとり、自分一人で今日一日を振り返る時間をとります。

 こういう仕事をしていると、患者さんからもご家族からも、スタッフからも、期待されることは多いです。けれど全部に応えることはできません。皆さんもわかると思いますが、一生けんめい「期待される人間像」に合わせようとすると、どれだけ苦しいことか。周囲の全員から受け入れられ好かれなければと考えたり、よい妻よい母親でいなければと考えたり…。そんなことで苦しんでいたら、もったいない。自分自身の人生なのです。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

「もったいない」のこころ

みなさんには春秋がある

 がんのために、あと半年しか生きられないと宣告された人がいます。病室から外の世界を眺めて、空の青や流れる雲や草の緑に思うのです。今まであくせく働いて、仕事ばかりの人生で、人を出し抜いてでも地位や名誉を得ようとしてきた。しかしそれが何になったのか。あの高い空を思い切り味わえばよかった。子どもや妻とゆっくり過ごしたのは、いったい何十年前のことだろう…。
 たとえ半年でも、気付いたときから凝縮して生きることはできます。けれどもう、中秋の名月を見上げることはないかもしれないし、次の桜は見られないかもしれない。
 アルコール依存症のみなさんは、自分の病に気づいて価値観を転換すれば、これからの春秋があります。酒にかすんでしまった世界を、もう一度濃く味わって生きることができるのです。
 ご家族も皆さんも同じです。今まであまりに長いこと、酒の問題をなんとかしようとしてエネルギーを使い、怒りとあきらめを繰り返しながら生きてきた。しかし自分自身の一度しかない人生なのです。
 私は、仕事ばかりに没頭する生活はしないことにしています。やりたいことはたくさんあるけれど、急がずゆっくり実現すればいいと思っています。毎日家族の時間をとり、自分一人で今日一日を振り返る時間をとります。
 こういう仕事をしていると、患者さんからもご家族からも、スタッフからも、期待されることは多いです。けれど全部に応えることはできません。皆さんもわかると思いますが、一生けんめい「期待される人間像」に合わせようとすると、どれだけ苦しいことか。周囲の全員から受け入れられ好かれなければと考えたり、よい妻よい母親でいなければと考えたり…。そんなことで苦しんでいたら、もったいない。自分自身の人生なのです。