院長からのメッセージ 10

不安を売っている?

 最近、私たちの価値観を大きく左右しているのは「商業主義が植えつける不安」です。

 昔のコマーシャルは楽しかったですね。

 足が寒かったら福助の足袋を履きましょうとか、「明るいナショナル?♪」なんていうの、皆さんは覚えていますか?暗い部屋が蛍光灯でパッと明るくなって、しかも白熱灯より安い。

 近頃の宣伝は、暮らしを温かくしたり明るく便利にするのではなく、不安を売るものが増えています。

 なぜなら、モノを売りつくしてしまったから。テレビも冷蔵庫も洗濯機も、どこの家にもあります。毎年買い換えるなんてことはありません。皆さんの家だって、押入れにモノがいっぱいでしょう?

 だとしたら、モノを売る宣伝よりも、不安を売る宣伝をしたほうがいいのです。うまく不安を売りつけたら、新しいサービスやモノにお金を出してもらえるからです。

 におうのが不安だから、消臭スプレー。

 英語がわからないと不安だから、英会話教室。

 将来が不安だから、生命保険や資格の通信教育。

 ふつうの食事では健康が不安だから、サプリメント。

 お父さんはハゲるのが不安だから育毛にお金を使って、娘は友だちと仲よしなのを常に確認しあわないと不安だからケータイにお金を使う。

「ハゲてても、友だちが少なくても、ええやないか」と皆が思ったら、こういう産業は全部つぶれてしまいます。

 ところで、理想の外見というのは、時代によってずいぶん変わります。

 昔の加山雄三の映画では、意味のないところでやたらに裸になっていました。胸毛を見せるためです。毛深いのがかっこよかったのですね。ところが今では、若い男性が永久脱毛に通ったりしています。価値観が変わって、毛がないほうがいいということになりました。

 女性だって、かつては豊満なのが魅力的と思われていたのですが、1960年代半ばにツィッギーが登場したころからは、スリムなほどいいということになってきました。今では、全体がスリムで部分的に豊満でなければいけないという、ややこしいことになっているようです。

 明日の食べ物に困るような国では、そんなややこしいことを言ってる場合ではありません。ところが先進国になればなるほど、「こうでなければいけない」というメッセージで不安を煽る、不安産業が中心になっていくのです。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

不安を売っている?

 最近、私たちの価値観を大きく左右しているのは「商業主義が植えつける不安」です。
 昔のコマーシャルは楽しかったですね。
 足が寒かったら福助の足袋を履きましょうとか、「明るいナショナル?♪」なんていうの、皆さんは覚えていますか?暗い部屋が蛍光灯でパッと明るくなって、しかも白熱灯より安い。
 近頃の宣伝は、暮らしを温かくしたり明るく便利にするのではなく、不安を売るものが増えています。
 なぜなら、モノを売りつくしてしまったから。テレビも冷蔵庫も洗濯機も、どこの家にもあります。毎年買い換えるなんてことはありません。皆さんの家だって、押入れにモノがいっぱいでしょう?
 だとしたら、モノを売る宣伝よりも、不安を売る宣伝をしたほうがいいのです。うまく不安を売りつけたら、新しいサービスやモノにお金を出してもらえるからです。
 におうのが不安だから、消臭スプレー。
 英語がわからないと不安だから、英会話教室。
 将来が不安だから、生命保険や資格の通信教育。
 ふつうの食事では健康が不安だから、サプリメント。
 お父さんはハゲるのが不安だから育毛にお金を使って、娘は友だちと仲よしなのを常に確認しあわないと不安だからケータイにお金を使う。
「ハゲてても、友だちが少なくても、ええやないか」と皆が思ったら、こういう産業は全部つぶれてしまいます。
 ところで、理想の外見というのは、時代によってずいぶん変わります。
 昔の加山雄三の映画では、意味のないところでやたらに裸になっていました。胸毛を見せるためです。毛深いのがかっこよかったのですね。ところが今では、若い男性が永久脱毛に通ったりしています。価値観が変わって、毛がないほうがいいということになりました。
 女性だって、かつては豊満なのが魅力的と思われていたのですが、1960年代半ばにツィッギーが登場したころからは、スリムなほどいいということになってきました。今では、全体がスリムで部分的に豊満でなければいけないという、ややこしいことになっているようです。
 明日の食べ物に困るような国では、そんなややこしいことを言ってる場合ではありません。ところが先進国になればなるほど、「こうでなければいけない」というメッセージで不安を煽る、不安産業が中心になっていくのです。