院長からのメッセージ 15

逃げるわけにもいけないし……

 私たちのふだんの生活では、ライオンやシマウマのように生きるか死ぬかという事態はめったにないですね。けれど、ちょっとした緊張状態でも、交感神経は興奮します。

 結婚式で、いきなりスピーチを頼まれた。

 上司から、ひどく叱責された。

 子どもが警察に補導されたと知らせがあった。

 仕事の計画がちっとも予定通り進まない。

……いずれも、ドキドキしたり、ビクッとなったり、あるいはムカッとなったり、汗がにじんだり、イライラしたりという事態ですね。交感神経が興奮しているのです。

 幼い子どもにとっては、両親がしょっちゅうケンカをしているとか、お父さんがお酒を飲んで怒鳴るとか、お母さんがなぜこんなに機嫌が悪いのかわからないといった事態も、交感神経の興奮を引き起こします。

 なんとなく危険だ、次に何が起きるのかわからない、ひどいことにならないように周囲の状況に耳をすましていなければ……ライオンに追いかけられたシマウマと同じような反応が、身体に起こるのです。つまり呼吸は自然と浅く速くなり、手足の末梢には十分な血液が送られず、聴覚は過敏になり痛覚は鈍るといったぐあいです。もしもシマウマだったら、ライオンから逃げ切れば、そのことで筋肉にたまったエネルギーを放出しているので、自然と交感神経の興奮はおさまり、副交感神経が優位になります。すると緊張はとけてリラックスし、休憩するとか、睡眠をとるとか、ゆっくり味わって食事をするということになるわけです。

 ところが今の私たちの生活では、問題解決に筋力を使うことは少ない。自分を叱責した上司を殴るとか、気まずい場から走って逃げ出せば、筋力を使うので緊張は緩和されますが、そのあとさらに困った問題が起きてしまいます。

 緊張がうまく解除されずに、リラックスできない状態が慢性的に続くと、かなりの負担になります。その結果、交感神経と副交感神経のバランスがくずれて「自律神経失調症」と呼ばれる状態も起きてくるのです。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

逃げるわけにもいけないし……
 私たちのふだんの生活では、ライオンやシマウマのように生きるか死ぬかという事態はめったにないですね。けれど、ちょっとした緊張状態でも、交感神経は興奮します。
 結婚式で、いきなりスピーチを頼まれた。
 上司から、ひどく叱責された。
 子どもが警察に補導されたと知らせがあった。
 仕事の計画がちっとも予定通り進まない。
……いずれも、ドキドキしたり、ビクッとなったり、あるいはムカッとなったり、汗がにじんだり、イライラしたりという事態ですね。交感神経が興奮しているのです。
 幼い子どもにとっては、両親がしょっちゅうケンカをしているとか、お父さんがお酒を飲んで怒鳴るとか、お母さんがなぜこんなに機嫌が悪いのかわからないといった事態も、交感神経の興奮を引き起こします。
 なんとなく危険だ、次に何が起きるのかわからない、ひどいことにならないように周囲の状況に耳をすましていなければ……ライオンに追いかけられたシマウマと同じような反応が、身体に起こるのです。つまり呼吸は自然と浅く速くなり、手足の末梢には十分な血液が送られず、聴覚は過敏になり痛覚は鈍るといったぐあいです。もしもシマウマだったら、ライオンから逃げ切れば、そのことで筋肉にたまったエネルギーを放出しているので、自然と交感神経の興奮はおさまり、副交感神経が優位になります。すると緊張はとけてリラックスし、休憩するとか、睡眠をとるとか、ゆっくり味わって食事をするということになるわけです。
 ところが今の私たちの生活では、問題解決に筋力を使うことは少ない。自分を叱責した上司を殴るとか、気まずい場から走って逃げ出せば、筋力を使うので緊張は緩和されますが、そのあとさらに困った問題が起きてしまいます。
 緊張がうまく解除されずに、リラックスできない状態が慢性的に続くと、かなりの負担になります。その結果、交感神経と副交感神経のバランスがくずれて「自律神経失調症」と呼ばれる状態も起きてくるのです。