院長からのメッセージ 28

初めから得意な人はいない

「自分は話すのが苦手だから、自助グループには行きたくない」

 こんなふうに言う人がよくいます。

 話すのが苦手なのは、もっともです。

 依存症になった人たちの中には、元来から内向的なタイプの人が少なくありません。酒が入るとびっくりするほど楽に自分が出せたために、それが飲酒習慣への入り口になることもあるのです。

 また、若い頃から酒に依存したために、しらふで人と話をしたり、この社会の中でしらふで人と交渉して生きていく訓練ができなかった場合もあります。

 それに加えて、どの人も依存症という病気が進行するうちに、どんどん世間が狭くなっています。世間が狭くなれば自分の姿も見えにくくなり、相手の様子も正確につかめず、物事のとらえ方が偏ってきますから、認識がずれて会話がうまくいきません。

 そんなわけで、治療が始まった時点では「酒が入っていないとしゃべれない」という人がかなりいるのです。

 しかし、一度「自分は○○するのが苦手」と決めつけてしまうと、その人は一生それが苦手なまま終わります。なぜなら、日常の生活で「苦手」なものに出会うと、つい尻込みして逃げてしまうからです。練習ができないために、よけいに苦手ということになっていくのです。

 何事も、初めから得意な人はいません。最初は苦手でも少しずつ練習を始める、これが肝心なのです。あとで、その練習のしかたを具体的に説明しましょう。

 断酒会での体験発表を聴いていますと、初めの頃はマイクを持つ手も足もガタガタ震えて途切れ途切れに語っていた人が、回を重ねるうちに慣れてきて、しばらくすると見違えるように堂々と話しているという場面をよく経験します。

 こうなると、生き方そのものも堂々としてきます。

 けれど一方で別の人は、「自分は苦手だから」と言って例会での発言を拒否し続け、いつまでたっても苦手なまま、そのうち例会を離れて飲酒してしまったりするのです。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

初めから得意な人はいない
「自分は話すのが苦手だから、自助グループには行きたくない」
 こんなふうに言う人がよくいます。
 話すのが苦手なのは、もっともです。
 依存症になった人たちの中には、元来から内向的なタイプの人が少なくありません。酒が入るとびっくりするほど楽に自分が出せたために、それが飲酒習慣への入り口になることもあるのです。
 また、若い頃から酒に依存したために、しらふで人と話をしたり、この社会の中でしらふで人と交渉して生きていく訓練ができなかった場合もあります。
 それに加えて、どの人も依存症という病気が進行するうちに、どんどん世間が狭くなっています。世間が狭くなれば自分の姿も見えにくくなり、相手の様子も正確につかめず、物事のとらえ方が偏ってきますから、認識がずれて会話がうまくいきません。
 そんなわけで、治療が始まった時点では「酒が入っていないとしゃべれない」という人がかなりいるのです。
 しかし、一度「自分は○○するのが苦手」と決めつけてしまうと、その人は一生それが苦手なまま終わります。なぜなら、日常の生活で「苦手」なものに出会うと、つい尻込みして逃げてしまうからです。練習ができないために、よけいに苦手ということになっていくのです。
 何事も、初めから得意な人はいません。最初は苦手でも少しずつ練習を始める、これが肝心なのです。あとで、その練習のしかたを具体的に説明しましょう。
 断酒会での体験発表を聴いていますと、初めの頃はマイクを持つ手も足もガタガタ震えて途切れ途切れに語っていた人が、回を重ねるうちに慣れてきて、しばらくすると見違えるように堂々と話しているという場面をよく経験します。
 こうなると、生き方そのものも堂々としてきます。
 けれど一方で別の人は、「自分は苦手だから」と言って例会での発言を拒否し続け、いつまでたっても苦手なまま、そのうち例会を離れて飲酒してしまったりするのです。