院長からのメッセージ 31

人間は過去を忘れていく

「断酒会では過去の話ばかりする。同じ体験談を繰り返すことに何の意味があるのか?」

「人前で過去の恥をさらして何になる。自分は過去を水に流して新しくやり直したいのだ」

「過去の同じような話ばかりで発展性がない。もっと建設的なことを話し合えばいいのに」

 いずれも一見、もっともな考え方のように思えます。

 けれどこうした批判こそ、過去の自分の現実を認めたくないという自己防衛の証拠なのです。

 体験談が大切なのは、自分自身の飲んでいた過去の中に「なぜ、自分は酒をやめ続けなければならない人間なのか?」の回答があるからです。

 人間というのは、なかなか自分の非を認めようとしない存在です。ましてや依存症という病気が進行していくと、うまくいかない物事ばかりが増えていくので、それを認めまいとして心の中で常に他人や自分に言い訳をする癖がつきます。その言い訳に自分自身もだまされてしまい、現実の姿を見失っていきます。こうして自分の世間が狭くなればなるほど、自分自身の姿を正確に見つめることが困難になるのです。悲惨な現実を認めるのは、誰にとっても難しい。誰だって自分に都合のよいように現実をゆがめて考えるところがあります。けれども依存症からの脱出のためには、現実を直視するという困難な作業をやることが必要なのです。

 かつ、人間というのは、昔の辛かった思い出を忘れていく存在です。

 あれほど自分を苦しめ、周囲を苦しめてきたはずの酒であっても、自然にまかせていれば、やがてその苦しみが遠のいて、再び手を出してしまうのです。

 ですから過去を繰り返し思い起こし、その中から「なぜ自分は酒をやめ続けなければならないのか?」という問いへの答えを見つけ続けることが大切です。それができるのが、自助グループでの体験談なのです。

 繰り返し他人の体験を聞き、自分の体験を語ることで、洞察の中身が深まっていきます。「なぜ酒をやめ続けるのか」という理由も、変化し成長していくことでしょう。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

人間は過去を忘れていく
「断酒会では過去の話ばかりする。同じ体験談を繰り返すことに何の意味があるのか?」
「人前で過去の恥をさらして何になる。自分は過去を水に流して新しくやり直したいのだ」
「過去の同じような話ばかりで発展性がない。もっと建設的なことを話し合えばいいのに」
 いずれも一見、もっともな考え方のように思えます。
 けれどこうした批判こそ、過去の自分の現実を認めたくないという自己防衛の証拠なのです。
 体験談が大切なのは、自分自身の飲んでいた過去の中に「なぜ、自分は酒をやめ続けなければならない人間なのか?」の回答があるからです。
 人間というのは、なかなか自分の非を認めようとしない存在です。ましてや依存症という病気が進行していくと、うまくいかない物事ばかりが増えていくので、それを認めまいとして心の中で常に他人や自分に言い訳をする癖がつきます。その言い訳に自分自身もだまされてしまい、現実の姿を見失っていきます。こうして自分の世間が狭くなればなるほど、自分自身の姿を正確に見つめることが困難になるのです。悲惨な現実を認めるのは、誰にとっても難しい。誰だって自分に都合のよいように現実をゆがめて考えるところがあります。けれども依存症からの脱出のためには、現実を直視するという困難な作業をやることが必要なのです。
 かつ、人間というのは、昔の辛かった思い出を忘れていく存在です。
 あれほど自分を苦しめ、周囲を苦しめてきたはずの酒であっても、自然にまかせていれば、やがてその苦しみが遠のいて、再び手を出してしまうのです。
 ですから過去を繰り返し思い起こし、その中から「なぜ自分は酒をやめ続けなければならないのか?」という問いへの答えを見つけ続けることが大切です。それができるのが、自助グループでの体験談なのです。
 繰り返し他人の体験を聞き、自分の体験を語ることで、洞察の中身が深まっていきます。「なぜ酒をやめ続けるのか」という理由も、変化し成長していくことでしょう。