院長からのメッセージ 32

体験を語る練習

 院内のミーティングで体験を話すコツを、あげておきましょう。これは今度、自助グループでも役立つはずです。

 まず、話をする目的をはっきりさせましょう。それは、自分の過去の体験の中から「なぜ酒をやめ続けなければならないのか?」の解答を見つけることです。

 そのための練習として、4つのことをあげておきます。

他の人の体験談をじっと聴く

聴くときには、「自分と違うところ」を探すのではなく、「自分と似ているところ」を探します。そうすると、他人の体験を聴きながら、同時に自分の過去に心の中で語りかけることができます。

 自分にもこんなことがあった、そういえばあんなことも…と思い浮かべたり、忘れてしまっていた体験を思い出したりもするでしょう。

体験談は他人に聴かせるものではないと考える

他人にではなく、自分自身に聴かせるように語ればいいのです。それが体験談の本来の姿です。

 だから、他の人のように上手に話せないと悩む必要はないし、上手な話だと他人に感心される必要もないのです。自分自身をごまかさない。過去を自分に聴かせる態度で語り続けてください。それが結果として他人の心に響く体験発表となるのです。

一つずつ語る

過去の全体をまとめて語ろうとするよりも、ある時期、ある場所、ある相手というように、限定して思い返してみるとよいのです。

 なるべく一回に一つのエピソードを、具体的に語ってみましょう。何があったのか、そのとき自分はどんな状況にあったのか、周囲はどうだったのか。そのエピソードを掘り下げて、自分の酒が、自分自身や相手をどう苦しめたのか、今できる範囲で語るのです。

とにかく勇気を出す

これはもっとも大切なことです。

 誰だって、過去の苦しい恥ずかしい体験を人前で語ることは嫌なものでしょう。しかし、過去をウヤムヤにしたままでは、これからの断酒継続は不可能です。

「過去のことは忘れて前向きに断酒したい」と言って体験談を拒否する人もいますが、これは、勇気のない人の言い逃れにすぎません。

 自分の現実を認めることは、決して人間として恥ずかしいことではありません。逆に、勇気と誇りを持った人間にのみ可能なことなのです。

日本の社会は「飲む事を前提とする文化」が優勢で、自助グループなしに世間の環境にのみ身を置いていると、飲酒再発は必至といえます。

 中にはこうした社会環境と一人で戦い続ける人もいますが、これではたとえ飲まずにいたとしても、偏屈で孤立した人生を歩むことになってしまいます。この孤独も、いずれは飲酒を呼びかねません。

皆さんはぜひ、医療機関から離れたあとも、自助グループに根をおろし、過去の体験談や仲間とのつながりの中から、今日一日の断酒のエネルギーを獲得していってください。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

体験を語る練習
 院内のミーティングで体験を話すコツを、あげておきましょう。これは今度、自助グループでも役立つはずです。
 まず、話をする目的をはっきりさせましょう。それは、自分の過去の体験の中から「なぜ酒をやめ続けなければならないのか?」の解答を見つけることです。
 そのための練習として、4つのことをあげておきます。
他の人の体験談をじっと聴く
聴くときには、「自分と違うところ」を探すのではなく、「自分と似ているところ」を探します。そうすると、他人の体験を聴きながら、同時に自分の過去に心の中で語りかけることができます。
 自分にもこんなことがあった、そういえばあんなことも…と思い浮かべたり、忘れてしまっていた体験を思い出したりもするでしょう。
体験談は他人に聴かせるものではないと考える
他人にではなく、自分自身に聴かせるように語ればいいのです。それが体験談の本来の姿です。
 だから、他の人のように上手に話せないと悩む必要はないし、上手な話だと他人に感心される必要もないのです。自分自身をごまかさない。過去を自分に聴かせる態度で語り続けてください。それが結果として他人の心に響く体験発表となるのです。
一つずつ語る
過去の全体をまとめて語ろうとするよりも、ある時期、ある場所、ある相手というように、限定して思い返してみるとよいのです。
 なるべく一回に一つのエピソードを、具体的に語ってみましょう。何があったのか、そのとき自分はどんな状況にあったのか、周囲はどうだったのか。そのエピソードを掘り下げて、自分の酒が、自分自身や相手をどう苦しめたのか、今できる範囲で語るのです。
とにかく勇気を出す
これはもっとも大切なことです。
 誰だって、過去の苦しい恥ずかしい体験を人前で語ることは嫌なものでしょう。しかし、過去をウヤムヤにしたままでは、これからの断酒継続は不可能です。
「過去のことは忘れて前向きに断酒したい」と言って体験談を拒否する人もいますが、これは、勇気のない人の言い逃れにすぎません。
 自分の現実を認めることは、決して人間として恥ずかしいことではありません。逆に、勇気と誇りを持った人間にのみ可能なことなのです。
日本の社会は「飲む事を前提とする文化」が優勢で、自助グループなしに世間の環境にのみ身を置いていると、飲酒再発は必至といえます。
 中にはこうした社会環境と一人で戦い続ける人もいますが、これではたとえ飲まずにいたとしても、偏屈で孤立した人生を歩むことになってしまいます。この孤独も、いずれは飲酒を呼びかねません。

皆さんはぜひ、医療機関から離れたあとも、自助グループに根をおろし、過去の体験談や仲間とのつながりの中から、今日一日の断酒のエネルギーを獲得していってください。