より良い関係づくりのエッセンス 3

3.相談を必要としている人は、アルコール依存症の当事者だけではなかった

 私がお話を伺ってきた人は、お酒を止めようとしている方々をはじめそのご親族の皆さん、配偶者とか親や兄弟や子世代の方々など、多岐にわたり、様々な方と出会ってくることができたなという実感があります。その大勢の人たちの中のある共通部分に注目をしているわけなんですね。例えば音楽講師で言いますと、バイオリンを弾く人は、バイオリンの生徒さんを指導しますし、ピアノを弾けるようになるにはピアノの先生を探すというふうにしますね。バイオリンもピアノもフルートもギターも何でも指導できるという音楽の教師はいないと思うのです。ピアノが教えられる人はピアノを教えたい。それと同じで、私も大勢の方々に出会ってきていますが、どなたでも、どんな話でも聞けるかというとそうではなくて、先ほど言いましたように、この人の感じ方の癖や生き方の癖、どういう精神的重圧にどのくらいのあいださらされて、そのあいだ、どんなふうにダメージを受けてこられたのか、傷ついてしまっておられるのか、その中で多くの努力をして、一生懸命やった中で、どれが功を奏してどれが徒労に終わっているのか、そしてどのような悪循環を経験しておられるのか、などに主に焦点を当てながらかかわっている職種だと思っていただけたらいいかなと思います。よく、何でも知って見透かされているみたいと言われることがありますが、そんなことはないのです。そんなに何でも覚えているわけではありませんし、一度お会いして、お話を5分10分聞いているうちに、あるところにシューッと注目がいく。それが私たちの分野の仕事の技術なんだろうなと、10年、20年経つうちに思えてくるようになりました。

 最初は、患者さんに何とかお酒を止めてほしいとか、何とかうまくコミュニケーションできるようになってほしいとか、心配や悩みがなくなり、ストレスがなくなるように(まぁそんなことはないんですけどね。生きていればいろいろあるんですから・・・)なっていただかなくちゃと思って、その人に変わって考えてしまったり、多くのエネルギーを使ってしまうというところはあったかもしれませんが、やはり、一緒に考えると言いますか、その人が考えたり、決定したり、実行したりしていくのを応援しながら見守る、待つということもひとつの技術かなと続けているうちに、分かってくるようになってきています。

 そんな中で脳裏に浮かんでくるみなさんのお顔の中で、回復され魅力的になられた方々ももちろん浮かぶのですが、亡くなった方や家族と離れた方、そのご家族の方々も浮かんできます。間違いなくどの方々も、例外なく一生懸命です。そんなみなさんの回復過程に日々接しながら、私たちが、多くの様々な方たちの努力された実績、足跡、それを忘れないように思い浮かべ、検証し続け、忘れないことが大事だなというふうに思っています。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

3.相談を必要としている人は、アルコール依存症の当事者だけではなかった
 私がお話を伺ってきた人は、お酒を止めようとしている方々をはじめそのご親族の皆さん、配偶者とか親や兄弟や子世代の方々など、多岐にわたり、様々な方と出会ってくることができたなという実感があります。その大勢の人たちの中のある共通部分に注目をしているわけなんですね。例えば音楽講師で言いますと、バイオリンを弾く人は、バイオリンの生徒さんを指導しますし、ピアノを弾けるようになるにはピアノの先生を探すというふうにしますね。バイオリンもピアノもフルートもギターも何でも指導できるという音楽の教師はいないと思うのです。ピアノが教えられる人はピアノを教えたい。それと同じで、私も大勢の方々に出会ってきていますが、どなたでも、どんな話でも聞けるかというとそうではなくて、先ほど言いましたように、この人の感じ方の癖や生き方の癖、どういう精神的重圧にどのくらいのあいださらされて、そのあいだ、どんなふうにダメージを受けてこられたのか、傷ついてしまっておられるのか、その中で多くの努力をして、一生懸命やった中で、どれが功を奏してどれが徒労に終わっているのか、そしてどのような悪循環を経験しておられるのか、などに主に焦点を当てながらかかわっている職種だと思っていただけたらいいかなと思います。よく、何でも知って見透かされているみたいと言われることがありますが、そんなことはないのです。そんなに何でも覚えているわけではありませんし、一度お会いして、お話を5分10分聞いているうちに、あるところにシューッと注目がいく。それが私たちの分野の仕事の技術なんだろうなと、10年、20年経つうちに思えてくるようになりました。
 最初は、患者さんに何とかお酒を止めてほしいとか、何とかうまくコミュニケーションできるようになってほしいとか、心配や悩みがなくなり、ストレスがなくなるように(まぁそんなことはないんですけどね。生きていればいろいろあるんですから・・・)なっていただかなくちゃと思って、その人に変わって考えてしまったり、多くのエネルギーを使ってしまうというところはあったかもしれませんが、やはり、一緒に考えると言いますか、その人が考えたり、決定したり、実行したりしていくのを応援しながら見守る、待つということもひとつの技術かなと続けているうちに、分かってくるようになってきています。
 そんな中で脳裏に浮かんでくるみなさんのお顔の中で、回復され魅力的になられた方々ももちろん浮かぶのですが、亡くなった方や家族と離れた方、そのご家族の方々も浮かんできます。間違いなくどの方々も、例外なく一生懸命です。そんなみなさんの回復過程に日々接しながら、私たちが、多くの様々な方たちの努力された実績、足跡、それを忘れないように思い浮かべ、検証し続け、忘れないことが大事だなというふうに思っています。