より良い関係づくりのエッセンス 5

5.家族関係や人間関係が苦しくなるのは、実は感情や考え方に関係がある

 家族関係や人間関係を苦しくしているもの、楽にしているものの要因とは何でしょうか?その人の性格や気質ではありません。実は、性格や気質にもつながるのですが、この人は短気だからとか、この人はあまり物を言わない人だからというのではなく、実は感情とか考え方に原因があるのではないかと思っています。どういうことかと言いますと、自助グループにつながっていても、お酒をやめていても、あるいは依存症でなくても、人間関係が苦しく難しい、そういう人は大勢いますが、その中で、自分は苦しくないとつっぱっている人もいらっしゃるでしょうし、あるいは苦しいのも麻痺するくらいわからなくなってしまっている人もいらっしゃるでしょう。自分で自分のことを「苦しそうだな」「なんだか不調だな」「あ?これ嫌かも」ということをしっかり感じて、そういう自分を受け止められない人もいるかもしれません。自分のセンサーがなんか苦しそうだなとか嫌かもというふうに作動しているときは、“一旦休め”のサインではないでしょうか。充電してくださいというサインなのです。

 感情とか情緒というのは人間にとって、とても大切なものですが、人はお年頃になってくると「最近気力も体力もおちてきたな」「寝起きが悪いのよね」「最近気力も体力も落ちてきたな」「どこどこが悪くなってきたな」「物忘れがひどくなって困るな?」など、こういうことは非常に会話によく登場してきますね。自分は体力の衰えを感じている気にしているという人はたくさんおられるわけですが、感情を司る部分がすり減っているということを気にする人はあんまりおられないですね。「自分の感じる力が鈍っているな」「最近あんまり感動しなくなったな」「どこか行きたいな」「テレビを観ていても笑わなくなったな」「本を読むのもなんだかしんどいな」などを気にする人は少ないようです。私もある自覚があるのですが、新聞みたいにギッシリと文字が書いてあったり、ズラーッと何ページにも字が書いてあると数行読んで後はあきらめちゃうんです。最後まで読む根気がない。根気がないというか斜め読みして流してしまうみたいなところが最近はあるのです。必要があったら読みますが、最後まで読み通すとか、丁寧に水にザーッと見ているようなそういう傾向が出てきて、年だなぁと感じているんですけれども、こういうのも、脳の疲弊が関係していて、20数年も続けてきますとやはり疲弊してきているようですね。脳機能が低下しているのです。運動選手で言うと筋肉疲労ですね。

 体力の衰えや物忘れとか、血圧や血糖値がどのくらいあるかとかは、気にするよう世間では言われますけど、情緒面、感情面が今日はどのくらいの数値かなと測る人はいないですね。これは測定する器械がありません。でも、10年前、5年前と比べてどうだろうか?本読むのは好きだったのに読まなくなっているな。映画、何年も観に行ってないな。また月に1回か2階は映画を観ていたころのように復活してもいいのではないかと思います。運動不足を自覚して、歩いたり、車ばか使わずに近くなら歩くとか、自転車を始めてみたりする人はよく近所でも見かけますね。それと同じように「最近、感情疲労してきて笑い不足なので、お笑いを観にいって来たよ」「目の保養に海や山や美術館に行くようになった」「ひいきのクラブチームの会員になった」「昔好きだった歌手のコンサートに行ってからまたCDをよく聴くようになった」と言う人がもっともっと現れたらいいのにと思います。

 私たちが意外と着目していない、みなさんもあまり着目しておられないところが、実は、より良い関係づくりの非常に大切なエッセンスになってくるのです。人と人とが関係を作っていくには、しゃべろう、声掛けようと、できているかできていないかです。そこが感情能力、共感能力のエネルギーが低くなっているときと、それなりにあるときとでは全然違うんですね。たとえば「あ?もう退社時間だから帰ろう」と思う時に、用件の伝達や報告があるとしますと、もうクタクタだからまた今度にしようと思う場合と、今日はそんなに疲れてないから伝えにいこうと思う場合があります。また今度にしようと何度かしているあいだに忘れちゃった、なんていう経験ありませんか?笑ったり、泣いたり、感動したり、ムッとしたり、そういう感情をつかさどる部分の調整機能が落ちていっている人が多いからこそ、人間関係が希薄になっていってやがては悪くなるということに拍車がかかってしまうのです。

 男性は女性より一般的に弱みを見せるのが苦手な人が多いと言われています。そして、楽しいとか幸せだとか、嬉しいとか、こういうことやりたい!というようなポジティブな感情表現が女性よりうまくない、苦手だと言われています。その代わり、批判されたり、攻撃されたりすることについては敏感というふうに言う学者もいます。その真意は別として、少しヒントになるかなと思うのです。家族関係、夫婦関係、対人関係の悩みをお聴きしていますと、本当に感情面の疲労が目立ちます。ところが、少しずつ元気を取り戻したり、感じる力が上がってきますと表情にも力がついてきますし、馬力や粘りが出てくる。すぐにムッとしない。すぐに怒鳴らない。すぐにキレない。というふうになってきます。悪いように悪いように考えるのも減ってきます。自分は受け入れられてない、嫌われているんだと感じるようになるのも減ってきます。ですから、体力チェック、血圧チェックと同じように、自分の感じる力、考える力、ストーリーを想像する力とか、何かをみて感動する力。このような力の波もぜひご自分で把握しておいていただきたいなと思います。できるだけ、把握するということが習慣になるとより良い関係づくりの基盤、基礎面はできてくるわけです。

 夫婦関係や親子関係、大切な人間関係を損なっていくのは、苦しくしているのは、感じる力が一定量より落ちてらっしゃるなというようなことが見受けられた場合においては、具体的にこうしましょう、ああしましょうと言ってもなかなか実行できるものではありません。まずは充電しましょうといいます。感じる力をこの人はどうすれば取り戻せるだろうかとか、充電サイン点滅中か、それとも電源OFFなのか、パワーが今は満ちているか、そんなところに私たちは結構着目しているのです。感じる力を一定量より落とさないために、あるいは減った力、パワーを増やすためにできるだけ自分を主語に考える機会をつくってほしいと思います。そして自分のために何ができているのか、自分は人のために何ができているのかではなく、自分は自分のために何ができているのかについて観察をする、そういう習慣も持っていただきたいと思います。誰かのために一生懸命になるばかりの生き方は疲れます。

 皆さんはどうでしょうか?自分の考え方、感じ方、物の見方は、血圧や血糖値みたいに測ることはできないものですが、図れないからといってあきらめながら生きていきますか。血圧計のように測るものはないですけど、今このくらいの容量はあるな、このくらい減っているなそういう風に自分を見てあげる時間を取る、これもエネルギーがあればこそできるわけですけど、していただきたいと思います。それから私たちは普段、自分の考え方の癖というものをまったく意識しないで、外の世界やものごとを見ていることが多いのですが、黄色いサングラスとか青いサングラスとか、人はそれぞれいろ身がかった眼鏡をかけて、外のものを自分や自分以外のもの周りのものを見ていまして、この眼鏡も時々きれいな布でふいてあげましょう。自分がどんなレンズのお世話になっているかで感じ方やものの見方も違いますので、時々そのレンズをチェックしてみましょう。

重要なお知らせ

第3日曜日(合同例会断酒表彰)変更について

5.家族関係や人間関係が苦しくなるのは、実は感情や考え方に関係がある
 家族関係や人間関係を苦しくしているもの、楽にしているものの要因とは何でしょうか?その人の性格や気質ではありません。実は、性格や気質にもつながるのですが、この人は短気だからとか、この人はあまり物を言わない人だからというのではなく、実は感情とか考え方に原因があるのではないかと思っています。どういうことかと言いますと、自助グループにつながっていても、お酒をやめていても、あるいは依存症でなくても、人間関係が苦しく難しい、そういう人は大勢いますが、その中で、自分は苦しくないとつっぱっている人もいらっしゃるでしょうし、あるいは苦しいのも麻痺するくらいわからなくなってしまっている人もいらっしゃるでしょう。自分で自分のことを「苦しそうだな」「なんだか不調だな」「あ?これ嫌かも」ということをしっかり感じて、そういう自分を受け止められない人もいるかもしれません。自分のセンサーがなんか苦しそうだなとか嫌かもというふうに作動しているときは、“一旦休め”のサインではないでしょうか。充電してくださいというサインなのです。
 感情とか情緒というのは人間にとって、とても大切なものですが、人はお年頃になってくると「最近気力も体力もおちてきたな」「寝起きが悪いのよね」「最近気力も体力も落ちてきたな」「どこどこが悪くなってきたな」「物忘れがひどくなって困るな?」など、こういうことは非常に会話によく登場してきますね。自分は体力の衰えを感じている気にしているという人はたくさんおられるわけですが、感情を司る部分がすり減っているということを気にする人はあんまりおられないですね。「自分の感じる力が鈍っているな」「最近あんまり感動しなくなったな」「どこか行きたいな」「テレビを観ていても笑わなくなったな」「本を読むのもなんだかしんどいな」などを気にする人は少ないようです。私もある自覚があるのですが、新聞みたいにギッシリと文字が書いてあったり、ズラーッと何ページにも字が書いてあると数行読んで後はあきらめちゃうんです。最後まで読む根気がない。根気がないというか斜め読みして流してしまうみたいなところが最近はあるのです。必要があったら読みますが、最後まで読み通すとか、丁寧に水にザーッと見ているようなそういう傾向が出てきて、年だなぁと感じているんですけれども、こういうのも、脳の疲弊が関係していて、20数年も続けてきますとやはり疲弊してきているようですね。脳機能が低下しているのです。運動選手で言うと筋肉疲労ですね。
 体力の衰えや物忘れとか、血圧や血糖値がどのくらいあるかとかは、気にするよう世間では言われますけど、情緒面、感情面が今日はどのくらいの数値かなと測る人はいないですね。これは測定する器械がありません。でも、10年前、5年前と比べてどうだろうか?本読むのは好きだったのに読まなくなっているな。映画、何年も観に行ってないな。また月に1回か2階は映画を観ていたころのように復活してもいいのではないかと思います。運動不足を自覚して、歩いたり、車ばか使わずに近くなら歩くとか、自転車を始めてみたりする人はよく近所でも見かけますね。それと同じように「最近、感情疲労してきて笑い不足なので、お笑いを観にいって来たよ」「目の保養に海や山や美術館に行くようになった」「ひいきのクラブチームの会員になった」「昔好きだった歌手のコンサートに行ってからまたCDをよく聴くようになった」と言う人がもっともっと現れたらいいのにと思います。
 私たちが意外と着目していない、みなさんもあまり着目しておられないところが、実は、より良い関係づくりの非常に大切なエッセンスになってくるのです。人と人とが関係を作っていくには、しゃべろう、声掛けようと、できているかできていないかです。そこが感情能力、共感能力のエネルギーが低くなっているときと、それなりにあるときとでは全然違うんですね。たとえば「あ?もう退社時間だから帰ろう」と思う時に、用件の伝達や報告があるとしますと、もうクタクタだからまた今度にしようと思う場合と、今日はそんなに疲れてないから伝えにいこうと思う場合があります。また今度にしようと何度かしているあいだに忘れちゃった、なんていう経験ありませんか?笑ったり、泣いたり、感動したり、ムッとしたり、そういう感情をつかさどる部分の調整機能が落ちていっている人が多いからこそ、人間関係が希薄になっていってやがては悪くなるということに拍車がかかってしまうのです。
 男性は女性より一般的に弱みを見せるのが苦手な人が多いと言われています。そして、楽しいとか幸せだとか、嬉しいとか、こういうことやりたい!というようなポジティブな感情表現が女性よりうまくない、苦手だと言われています。その代わり、批判されたり、攻撃されたりすることについては敏感というふうに言う学者もいます。その真意は別として、少しヒントになるかなと思うのです。家族関係、夫婦関係、対人関係の悩みをお聴きしていますと、本当に感情面の疲労が目立ちます。ところが、少しずつ元気を取り戻したり、感じる力が上がってきますと表情にも力がついてきますし、馬力や粘りが出てくる。すぐにムッとしない。すぐに怒鳴らない。すぐにキレない。というふうになってきます。悪いように悪いように考えるのも減ってきます。自分は受け入れられてない、嫌われているんだと感じるようになるのも減ってきます。ですから、体力チェック、血圧チェックと同じように、自分の感じる力、考える力、ストーリーを想像する力とか、何かをみて感動する力。このような力の波もぜひご自分で把握しておいていただきたいなと思います。できるだけ、把握するということが習慣になるとより良い関係づくりの基盤、基礎面はできてくるわけです。
 夫婦関係や親子関係、大切な人間関係を損なっていくのは、苦しくしているのは、感じる力が一定量より落ちてらっしゃるなというようなことが見受けられた場合においては、具体的にこうしましょう、ああしましょうと言ってもなかなか実行できるものではありません。まずは充電しましょうといいます。感じる力をこの人はどうすれば取り戻せるだろうかとか、充電サイン点滅中か、それとも電源OFFなのか、パワーが今は満ちているか、そんなところに私たちは結構着目しているのです。感じる力を一定量より落とさないために、あるいは減った力、パワーを増やすためにできるだけ自分を主語に考える機会をつくってほしいと思います。そして自分のために何ができているのか、自分は人のために何ができているのかではなく、自分は自分のために何ができているのかについて観察をする、そういう習慣も持っていただきたいと思います。誰かのために一生懸命になるばかりの生き方は疲れます。
 皆さんはどうでしょうか?自分の考え方、感じ方、物の見方は、血圧や血糖値みたいに測ることはできないものですが、図れないからといってあきらめながら生きていきますか。血圧計のように測るものはないですけど、今このくらいの容量はあるな、このくらい減っているなそういう風に自分を見てあげる時間を取る、これもエネルギーがあればこそできるわけですけど、していただきたいと思います。それから私たちは普段、自分の考え方の癖というものをまったく意識しないで、外の世界やものごとを見ていることが多いのですが、黄色いサングラスとか青いサングラスとか、人はそれぞれいろ身がかった眼鏡をかけて、外のものを自分や自分以外のもの周りのものを見ていまして、この眼鏡も時々きれいな布でふいてあげましょう。自分がどんなレンズのお世話になっているかで感じ方やものの見方も違いますので、時々そのレンズをチェックしてみましょう。