院長からのメッセージ
第10回「嫌なことだらけの日々を安定して過ごそう」 ~断酒継続のコツ~
2018.7.20
過剰反応や拡大解釈、悲観主義、小さなことにとらわれて苛立ったり悩んだりするとき、それに過剰に反応するとイライラや欲求不満がこうじるだけでなく、益々泥沼にはまり込んでしまいます。ものごとを客観的に見られなくなり、多くは否定的な考えに捉われ、怒りや落ち込みのため粗雑な言動になって行きます。一言で言えば、日々の都合の悪い体験に大きく左右される生き方になって、バタバタ動き回ったり、イライラしたり、落ち込んだり怒ったりして心の安定を失うだけでなく、実際には問題を益々複雑にしているのです。
日々に出会うちょっとした都合の悪い体験に過剰反応してしまうせいで、一つ一つのことで感情を害したり、その結果、不適切な言動をしてしまったりして、日々を不安定に過ごします。
捨てて、重要なこと以外は人に花を持たせると穏やかな気分になれます。自分の正しさを証明した
いという思いが強すぎたり、人に注目されたいという思いが高じたりすると、世の中はその通りに
ならないことの方が多いので欲求不満に陥ってしまいます。自分の正しさや自分のことを解っても
らいたいという欲求は誰でもありますが、小さなことであれば相手に花を持たせるようにしましょ
う。
大切なことは、自分の都合のいいように物事を進めたいとか、人から注目されたいという願望を
少なくして、相手に花を持たせてあげられるという、静かな自信を持つことです。
いう、ノイローゼの癖を身に付けてしまっています。今のこの瞬間よりも、過去に対する後悔や、
将来への不安を優先させた挙句、その日その日を台無しにするだけに留まらず、不安や欲求不満
失望に取りつかれてしまいます。
「全てがうまくいけば楽に生きられるのに」という思いが叶えられることは、現実には、ほとんど
ありません。特に不安な気持ちは、将来起こるかもしれないことをくよくよと思い悩むことで生じ
増大して行きます。
上では、「こんなことはとんでもない」と、反発したいことに山ほど出くわしますが、これは
それらを受け入れ、心を穏やかに過ごすための作戦です。実際にやってみると、一番大切な、自分
の心の安定が得られます。
自分以外の人は皆が文明人だと仮定すると、出会う人は皆、自分に何かを教えようとしている、と
考えられます。威張り腐った人や生意気な若者は、自分に忍耐を教えようとしているのかもしれな
いですし、他にも人生で出会う人が何を教えようとしているのか、見極めていきましょう。慣れて
くると、他人に対するいら立ちや不満が薄れて行くでしょう。
たとえば、役所などで職員が、わざとノロノロしているように感じたとします。その時、イライラ
する代わりにこう呪文を唱えます。「彼は何を教えようとしているのだろうか。忍耐か、それとも
役所仕事とはこういうものだということか。」
要するに、「いったい、彼らは何をやっているのだろう」から、「彼らは何を教えようとしている
のだろう」に視点を変えればいいだけです。そうすれば、自分は心の安定を得ることが出来、日々
出会う不都合な体験に心が左右されることは、めきめきと減って来ます。