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院長からのメッセージ

第11回「日々の出来事に過剰に反応しないようにしよう」

2018.8.3

 ● 人生は、小さなことを騒ぎ立てながら生きるか、それを水に流して穏やかに生きるか、という 
  選択だらけです。

  確かに、相手と口論したり、対決したり、自分の信念のために戦うべき時もあるでしょう。
 しかし人は、多くの場面で、取るに足らないことを巡って過剰に反応し、心の安定を失ってイライラ
 したり、不機嫌になったり、落ち込んだりしてしまっています。そうすると、人生は、小さな問題に
 対する過剰反応の連続になってしまい、日々は、欲求不満の塊になってストレスが溜まって行くばか
 りです。


  全て自分の都合の良いようになればいいのにと思っていると、小さな問題に過剰に反応して
 大問題と感じてしまいます。そうすると、不機嫌さや欲求不満を常に感じていなければならなく
 なります。


  日常は思い通りにいかないことが多いですし、他人がこちらの思い通りに動いてくれることなど
 滅多とありません。あなたに反論する人や違うやり方をする人などにいくら自分の意見を言ったり、
 自分のやり方を勧めたりしてもうまくいかないことがつきものなのです。このことを認めておかない
 と、日々の大半をストレスだらけで過ごすことになってしまいます。


  もっと安定した生き方を求めるためには、小さな問題にはうまく対応する必要があります。
 たとえば、全てを完璧に成し遂げるのではなく、ストレスの少ない生き方をするのが目標だと、常に
 自分に言い聞かせることです。


  夫または妻に悪いのはそっちだと言い募ることや、相手のちょっとした失敗をあげつらうことが、
 そんなに重要でしょうか?日々の中で、車に付けられた小さな傷のために不機嫌になったり、隣人が
 きちんとした場所に駐車しようとしなかったりすることが、そんなに重要な事柄であるでしょうか?
  多くの人がイライラする種は、こんなことを含めてしょっちゅうです。


  小さな思い通りにならないことにイライラしないということを、常に自分に言い聞かせながら穏や
 かに生きる習慣を身に付けましょう。


 ● 気分の波は、一日の中でも常に変化しています。
  その時々の気分次第で、実際はそうでもないのに最低の日だと思い込んでしまうことが間々あり
 ます。逆に、気分が良いときはいろいろな問題が簡単に解決できそうな気になり、人間関係もコミュ
 ニケーションもうまくいくように思えます。相手から批判されても軽く受け流すこともできます。
  ところが、気分が落ち込むと生きること自体にしんどさを感じ、物事に対して全てがうまくいかな
 いと受け止めてしまい、周りの人たちの言葉を悪意に受け取ってしまいがちになります。


  人は、多くの場合、自分がその時々の気分に支配されていることに気が付かないままに日常を送っ
 ています。ですから突然、人生がしんどくなったりするのです。
  朝は気分が良くて、全てがうまくいきリラックスしていても、午後になって気分が落ち込んでくる
 と感じ方は逆になります。仕事は嫌いだ、女房は口うるさくてかなわない、先行きなんて何の希望
 もない、などと落ち込んでしまいます。こんな風にコロコロ気分が変わるのはしょっちゅう起こり
 ます。
  落ち込んでいる時は切羽詰まった感じになり、良い気分の時はそんなことはすっかり忘れ何もかも
 よく見えます。つまり、気分次第で、現在の状況、配偶者、職場の対人関係、持っているもの、将来
 性などに対する感じ方がコロリと変わります。


  ですが実際のところ、日常というものは、落ち込んだり不機嫌になったりする程の酷いことはそう
 そうありません。そういうことがあった時は、日々の中で自分に次のように言い聞かせ、心の安定を
 取り戻すことが必要です。
 「確かに今、自分は落ち込んだり、怒ったり、欲求不満になったり、憂鬱で気分はどん底だ。こんな
 時にものごとを考えると否定的なことしか思いつかない」という具合に、気分が落ち込んでいる時に
 は人間は過激なことや悲観的なことしか思いつかないものだと自分に言い聞かせ、人生をあれこれ
 分析しないようにします。そうしないと、どんどん暗く悲観的、否定的になり、益々落ち込んで行く
 だけだからです。


  良い気分の時はものごとをありがたく思い、暗い気分の時はそれをあまり深刻に受け止めず、この
 暗い気分もいつか消えると自分に言い聞かせます。
   つまり、マイナスの感情で日々をイライラしないで過ごす癖を付けることが、大切なのです。




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