banner

院長からのメッセージ

第17回「日々、考え方を変えるトレーニングをしよう」

2018.11.2

 自動思考とは、個人個人が子供の頃から作り上げた外面の体験や出来事、物事に対する解釈の仕方です。この解釈の仕方を通して様々な感情が出現します。感情障害に悩む人々は自動思考のあり方に片寄りがあり、その片寄りの代表は以下の通りです。

① 部分と全体の見極めがつかない。
② 自由にならない外面的なことに感情を支配される考え方。
③ 物事に対して「こうあるべき」という先入観を持つ自動思考の障害。


体験に対する自動思考障害

 私たちは、様々な体験をしながら生きています。その中で、私たちの感情、怒り、不平不満、抑うつなどマイナス感情に導く体験は、ある種の拒絶体験です。拒絶体験に出会ったとき、部分と全体の区別がつかず全体を拒絶されたと自動的に思考してしまい、過剰な怒りや抑うつ感情が出現します。

集団に対する自動思考障害

 私たちは、様々な集団に属しながら生きています。家族という集団、学校のクラスという集団、職場の部署という集団、あるいは、その他趣味などの集団です。その中で数人、自分と波長の合わない人がいると、その集団全体がダメかのように思い、マイナス感情にさいなまれその集団そのものを否定するようになります。

人間性に対する自動思考障害

 自分も含めて、人間というものは数々の欠点や長所の集合体です。しかし、自分の欠点だけを見て良い面を見られない人は、自己嫌悪におちいったり、自己卑下、自分に対する自信の無さがつきまとったりします。次に、他人の欠点だけに着目して長所を見られない人は、対人関係の悩みにいつもつきまとわれています。

時間・空間に対する自動思考障害

 私たちは、日々、時間と空間の中で過ごしています。その中で、一部分不愉快な時間帯があったり不愉快な空間に居たりすると、それだけで、その不愉快な時間帯だけでなくその他の時間帯も感情を害したまま過ごすことが多いわけです。
 以上の自動思考障害は、部分と全体の見極めがつかない解釈の仕方です。

自由にならない外面的なものに対する自動思考障害

① 自然現象に感情を支配される。
② 社会情勢に感情を支配される。
③ 日常生活の不都合な体験に感情を支配される。
④ 他人の評価に感情を支配される。


「こうあるべき」という先入観からの自動思考障害

 私たちは、長年生きている間に様々な物事に対して「こうあるべき」という先入観をいつの間にか作り上げています。そして、物事がその先入観通りにいかないと感情を害し、不満に満ちた日々を過ごさなければなりません。

回復のためのキーワード

I. 常に部分と全体を区別する習慣を作り上げる。
II. 行動には必ず目的がある。
III. 自分を尊重する心。これが自尊心であり、自尊心を大切にする習慣。
IV. 何をしていてもどこに居ても自分の大切な一瞬一瞬であるという感覚を育てる。




Copyright(c) 2015 宋神経科クリニック. All Rights Reserved.