院長からのメッセージ
第2回「外面的なものに感情を支配されて嫌な気分になるのはもう止めよう」
2018.3.16
雨降りや夏の暑さ、冬の寒さなどに感情を支配され、鬱陶(うっとう)しいと感じ過ぎる場合がよくあります。もちろん、自然現象に左右される農業や漁業を営んでいる人々は、日照りや台風や長雨などを気にするのは当然のことです。しかし、一般の人々が自然現象を気にし過ぎ、感情を支配されるのはいかがなものでしょう。「雨降りは鬱陶しい」と言われることがよくあります。確かに気圧が下がったとき、関節炎などを持っている人は痛みが増すことがあります。それでも年の3分の1はある雨降りに対し、すぐ鬱陶しいというマイナス感情を持つのは止めましょう。小学校時代、台風や大雨になると学校が休みになりむしろ喜んでいた人が、大人になるにつれ周囲が雨降りは鬱陶しいという言葉を繰り返し聞かされる中で、そう思い込んでしまう場合も多いのです。年3分の1の雨降りや、毎年繰り返す夏の暑さや冬の寒さに鬱陶しさを感じていたら、いつ機嫌よく生きられるのでしょうか。
私たちは、社会情勢を各種のメディアを通して知ります。実際には、最近の犯罪率は過去最低であり殺人件数も過去最低なのです。しかし、メディアが大げさに騒ぎ立てるため嫌な気分になる人が多過ぎます。さらに、日本の報道機関は政府を攻撃することから始まりましたので、新聞には嫌な記事が満載です。そういうものに感情を左右され過ぎるのは、もう止めましょう。社会のことを悪く言うのが日本の報道機関の特徴であり、他国では決してそんなことはありません。社会の良い面を記事にするのが伝統的な国も、たくさんあるのです。
私たちは、日々の生活の中で、ちょっとした拒絶体験によく出会います。電車が遅れたり、態度の悪い店員に出会ったり、注文を間違えるウエイトレスに出会ったり、不親切な役所の窓口などに出会ったりすると、嫌な感情にさいなまれるものです。しかし、こんなことは生きている限りよく出会うことであり、こういう体験で長い時間感情を害するのはもったいないことです。嫌な店員に出会って感情を害したら、私たちは、たまたま出会った店員に感情の支配権を譲り渡している訳です。いつも感情の支配権を外面的なものに譲る生き方は、もう止めましょう。
私たちは、世間体を気にしなさい、というメッセージを長年受け続けてきました。その結果、他人の目が気になり過ぎ対人恐怖に陥って、他者から嫌われたのではないかと落ち込んだりし過ぎる場合が多いのです。他人の目を気にし過ぎるのは私たちの文化に組み込まれた、大きな生きづらさを感じる罠なのです。他者に感情の支配権を渡し続けるのは、もう止めましょう。
風邪引きで体がだるい、年を取って腰が痛い、関節が痛いなど、肉体的問題はそれだけでも身体が辛いものです。ところが多くの人は肉体的な辛さだけに留まらず、大切な感情まで影響され、ついてないと思ったり、鬱陶しいとか不機嫌になったりします。肉体的な辛さに加えて感情も害してしまうと二重に辛いわけです。これからは、肉体的な障害が生じたときは身体的な辛さだけに留めて、感情にまで気分の悪化を及ぼすことは、もう止めましょう。